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歯ブラシだけでは歯垢を除去できない?

成人の8割以上が罹患(りかん)しているといわれる歯周病。歯周病や虫歯の予防には、歯間清掃具で歯と歯の間の歯垢(しこう)(プラーク)を取り除くことが肝心だが、「歯ぐきを痛める」「すき間が広がる」などと誤解している人も多く、使用率は3割程度にとどまっている。そこで、デンタルフロスや歯間ブラシの正しい使い方を専門家に教えてもらった。(中曽根聖子)

「しっかり時間をかけて磨いても、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは完全には落とせない」

秀鳳会メディカルセンター歯科(東京都渋谷区)の松下秀明院長はこう指摘する。歯周病の原因は磨き残しが細菌の塊に変化した歯垢。ところが、歯ブラシだけでは毛先が届きにくい歯間部を隅々まで磨くのは難しく、6割程度しか歯垢を除去できないという研究データもある。「虫歯予防や歯周病対策のうえで、欧米人に比べ歯並びが悪い日本人は歯間清掃具による毎日のケアがとくに重要」と松下院長。

また、ライオン歯科衛生研究所の歯科衛生士、海老沼緑さんによると、食べかすや歯垢を効果的に除去するには、歯間清掃具の適切な使い分けも大切だ。

先端の細い金属ワイヤの周囲にナイロン毛がついた歯間ブラシは、歯周病などで歯と歯のすき間が広がっている人や中高年向き。必ず鏡を見ながら、ゆっくりと歯のすき間に入れ、歯の外側と内側からそれぞれ2、3回ブラッシングする。無理に入れると歯ぐきを傷つける恐れもあるので、サイズ選びが肝心だ。

海老沼さんは「歯間ブラシはいろいろなサイズや形状があるので、歯の状態や使用部位にあわせて選ぶこと。初めての人は小さいサイズから試してみて」とアドバイスする。

一方、弾力性のある細いナイロンを糸状にしたデンタルフロスは、歯のすき間が狭い子供や若い人向き。すき間に面している両方の歯の側面にそれぞれ押しつけ、ノコギリをひくように動かして、汚れを絡めとるのがポイントだ。両手の指に巻き付けるタイプは多少の慣れが必要なので、最初はホルダー付きがお勧め。

「フロスで歯間が広がることはありません。もしフロスを入れる際にひっかかったり、糸がほつれたりしたら、虫歯や歯石がある場合も考えられるので歯科医に相談を」と海老沼さん。

糖尿病や肺炎など全身疾患にもつながる歯周病対策には、若いうちから歯ブラシと歯間清掃具の併用による口腔(こうくう)ケアが欠かせない。とはいえ、小林製薬が20?50代の男女約3800人を対象に実施した調査(平成19年)では、歯間清掃具の使用率はわずか36%。「使用率は年々高まってはいるが、『歯ぐきを傷めそう』『出血する』などのイメージもあり、使用をためらう消費者も少なくない」(広報部)という。

こうした誤解について、松下院長は「健康な歯ぐきなら出血はしない」ときっぱり。歯間ブラシなどを使用して血が出るのは、歯ぐきが炎症を起こしているからだ。「もし出血しても、歯ブラシで磨いてマッサージしながら、歯ぐきにたまった古い血を出してやれば、症状が改善します」

歯間清掃のタイミングは毎食後すぐに行うのが理想だが、まずは少なくとも1日1回、就寝前を心がけよう。「最初は難しいかもしれないが、毎日やれば少しずつ慣れます。口の中を隅々まできれいにする習慣を身につけると、昼でも歯間清掃具を手放せなくなります」と松下院長。

歯並びや磨き癖によって歯垢がたまりやすい場所は違ってくる。自分にぴったりの歯間清掃の方法を歯科医に指導してもらうのもいい。

引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000921-san-soci

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