歯科医師を取り巻く経営環境が東北で厳しさを増している。特に都市部では開業医が急増しているのに、不況で患者が受診を控える傾向にあるため。国の医療費抑制で、収入源の診療報酬は10年以上も横ばい。歯科医院によっては古い設備を使う不安を抱え、富裕層向け保険対象外医療に向かう流れも強まりかねない。しわ寄せは技術職の歯科技工士にも及んでいる。(編集委員・大和田雅人)
<20年で600人増>
2006年12月現在で宮城県内の歯科医師数は約1750人(うち仙台市内1100人)。口腔(こうくう)ケア意識の高まりなどで20年間で600人増え、人口10万当たりで見ても53人から74.4人へと増えた。
宮城県歯科医師会によると、平均的な歯科医が1カ月に診る患者の実数は約240人。1人が月2回通ったとして1カ月に各種保険から支払われる診療報酬は約300万円で、そこから人件費、医療機器代、技工士に外注する詰め物の技工料などが引かれる。一般に歯科医は高コスト体質だ。
仙台市の40代の開業医は「世界不況以降、患者が減り、高齢者も内科通いが精いっぱい。診療報酬は低く、将来が不安」と語る。
<自費診療に力>
収入減は、耐用年数を過ぎた機器使用、スタッフ削減など安全安心の問題に直結する。こうした中で、医療費が高額な無保険の自費診療を手掛ける医師が増えている。歯が欠損した後に人工歯根を埋め込むインプラント、歯を白くするホワイトニングなどだ。
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